流産胎児胎盤染色体検査(POC)について
[2016.02.07]
せっかく妊娠成功しても残念ながら流産で手術をする場合に、POCを受けるかどうか聞かれる場合があると思います。流産は患者さん夫婦だけでなく、医師にとっても残念で、悲しい出来事です。しかしこの流産の事実は、今回失われた胎児が次の新たな妊娠へと残してくれたメッセージでもあります。一般に流産の原因の多くは胎児側の、特に染色体の異常による自然淘汰現象とも考えられます。母体側での原因で良く知られるヘパリン使用やアスピリン投与の対象例である抗リン脂質抗体陽性や、凝固異常などは20%ぐらいであり、50%以上の多くは胎児側原因であり、その中で夫婦の染色体の一部異常を遺伝的に受精時に引き継ぐような場合もあり、POC検査で次回妊娠時には流産を反復するか、偶然起こったために同様な心配が少ないかを推定することができます。次の妊娠を考えるためにも、できればPOCを受けておきたいものです。3回以上連続して流産した方にはこの検査は必須ともいえます。当院では分析は長い伝統と、実績のある米国本社のラボコープ社を利用しております。