最近更年期障害とか、中高年医学という言葉をよく耳にしますが、具体的にはどのようなことなのでしょうか?
[2016.01.15]
一般に”更年期”とは50歳前後に訪れる閉経をはさんだ前後約10年間をさしますが、最近では更年期以後も治療、管理をする必要性があるため、”中高年外来”と呼ぶこともあります。
加齢による卵巣機能の衰えによって女性ホルモンが急激に減少するために心や体に色々な障害が出現することを更年期障害と言います。
人間のホルモンの中枢は脳の真ん中にあり、同時に自律神経もコントロールする場所でもあるため、ホルモン低下は自律神経のバランスも崩し、のぼせ、ほてり、イライラなどの症状を起こすのです。
さらにホルモン低下が長引くと、膀胱ののびが悪くなり、慢性の膀胱炎症状や尿漏れを示し、また血管の収縮性を保っていた女性ホルモンの減少は悪玉コレステロールを増加させ、ボケや心臓病につながる動脈硬化症の引き金ともなります。
最終的には骨の軟らかい部分を減少させ、寝たきりの大きな原因である骨粗鬆症へと向かうことが知られています。
この対応には、いわゆるホルモン補充療法や漢方療法、抗うつ剤、診療療法などにより、質の高い老後を過ごせるようになって来ました。