更年期障害はなぜ起こるのでしょうか?又、HRTを受けている時はどんな注意が必要ですか?
[2016.01.15]
更年期とは妊娠可能時期から不可能時期への移行期間であり、多彩な症状の多くは卵巣の働きの衰退による女性ホルモンの低下が主因で、老化に伴い卵の発育、排卵などの機能が消失して月経不順から無月経→閉経となり50歳頃ではピーク時の20~25%に減少します。
この女性ホルモン低下は早期にはほてり、発汗、いらいらなどの症状を示し、長期的にはコレステロールや骨のバランスを崩し、心臓病や骨粗鬆症を引き起こします。
この他に女性を取り巻く家族、社会的因子に重大な転換が生じることがあると、子や夫との種々な面での感性上のギャップが気になり、人生への孤独感、虚無感を味わうことが多く発症を加速します。
ホルモン補充療法(HRT)を受けるのは、専門の医師によるチェックを必ず受けましょう。
乳腺と子宮内膜細胞(がん検診)は年1回、ホルモンを含む血液と超音波による子宮内膜の厚さチェックを年2回、骨量測定も年1回は受けましょう。
いらいら感、不安、うつ状態などの心理的・精神的症状はエストロゲン(女性ホルモン)では改善しないと最初からあきらめている患者さんもいますが、早期からの治療は有効であることが証明されています。
安易に安定剤に頼る前に、一度HRTを試みてみるのもよいでしょう。