更年期は「心の風邪」をひきやすいと聞きますが?
心の風邪とは軽いうつ病の時に使用されるようです。
現代の複雑な社会環境では、どんな人でもストレスに反応して一過性にうつ状態となる可能性があり、重症化しなければ一過性で必ず回復することから「心の風邪」と呼ぼれるものです。
特に更年期にはホルモン低下に伴う身体の不調に、夫や子供の生活・健康や、両親の死別や親しい友人との別れなどの現実を契機にこの「心の風邪」にかかりやすくなり、現在私のクリニックでも25%の更年期・老年期障害の患者さんにこのような症状が見られます。
症状的には疲れやすくなり、家事やスポーツをやる意欲がなく食欲不振・不眠・頭がぽんやりとし、考えがまとまらないなどと訴えて来院する事が多い。
よく話を聞いているとその背景に抑うつされた感情や気力低下、興味や関心の低下や不安焦燥感があり、本人はそれがストレスによる症状とは判らずに更年期のためと考えている場合が少なくありません。
うつ状態やうつ病はいわゆる精神病ではなく、誰にでもおこる脳内ホルモン(セロトニン)の一時的な低下症ですので、もっと気軽に更年期専門医や心療内科医などに相談しましょう。
特に近年日本でも副作用の少ないSSRIという薬物が手に入るようになり、治療効果も著明です。
一人で悩まないで早期の受診相談が最良の撰択です。