更年期の「うつ」について教えててください。
[2016.01.15]
多くの疫学結果からみると前年齢で男性に比ぺて女性が1.5~3倍多く、その背景に女性ホルモンとの関係が言われていますが、現時点で結論は出ていません。
憂うつ気分は正常の場合でも時に現れますが、病的なうつは気分障害かあり、抑うつ気分、食欲低下、不眠・興味・気力・集中力減退などのうつ症状が2週間以上続くか否かなどで大うつ病や軽症うつ病などに分類されます。
うつ状態やうつ病と診断されて「死にたい」気分がある場合は早急に精神科専門医への紹介を受けるべきす。
軽症時には一般診療科でも受療できますが、現在ではSSRIやSNRIという薬物が使われます。
これらは約3ヶ月適用しないとこかが現れにくく又、早い段階で中止すると再発が懸念され、うつ病全体では40~50%の再発があるといわれており、自己診断での服用は危険です。
必ず主治医の判断に従いましょう。更年期のうつにHRT(ホルモン補充療法)が有用の事もあります。
ホットフラッシュや発汗など典型的な更年期障害症状に抑うつ気分が伴う場合にHRTで症状の改善がみられる事はありますが、これはHRTが脳内ホルモン・セロトニン分泌調整に関与しているからと考えられます。
しかしうつ病自体の治療にはSSRIなどの標準的薬物療法が第一選択ですので、HRTはあくまで併用または第二選択として考えるべきです。