更年期には「心の病気」が増えると聞きますが?
[2016.01.15]
更年期は年代的に子供の独立や親の死、夫との関係不全、職場での人間関係、若さを失いつつある事への不安感などから、身体的な不調に加えて心の悩みの頻度が多くなり、当院でも更年期患者の25%が上記のような訴えを持っています。
このように更年期女性を診療する更年期専門医には、心身症や心療内科的な知識、治療法の理解が必要です。
一方患者側は、医師には個人情報を守る義務があるので、話しにくい事や触れられたくない事も信頼感をもって開示しないと本当の悩みを理解しこもらえない事が多い事、薬物療法を勧められた時には即効性を期待して自分で勝手に薬を中止したり、減量したりする事は再度症状を悪化させる事、更には、いわゆる更年期でのうつ状態や心身症の枠を超えている可能性がある(例えば総合失調症が疑われたり、自殺願望が強い)時などは、精神科専門医への受診が必要な場合もあることなどへの理解が必要です。
このような心の病を防ぐ日常の心構えとしては
- 考え方を変えれば気分も変わる
- 自分の考えに注目する。何故そう考えるのかを自分に問う
- 考えを柔軟にして、気分の変化を見る
- 人生を流れで捉える
- 間違った思考を否定するのでなく、妥協することを覚える
- すぐには治らないことを知っておく
などが認知療法の中で言われており、考え方の歪みやストレス原因を知ることで、うつ状態から抜けられることも少なくありません。