新型出生前診断(NIPT)について
妊婦の血液よりダウン症などの染色体異常を調べるNIPTについて、日本での臨床研究の結果が7月16日にまとめが発表されています。この3年間で30,615人の肩が検査を受け1.8%(547人)が陽性と診断され、確定のため羊水穿刺で417人(91%)が染色体異常と診断され、94%の方が人工妊娠中絶を選択したという。残りの9%は死産や、確定診断前に人工流産を選択したと見られ、人工中絶を選択せずに、分娩で生児を得た例は確認されていないようである。結局当初心配されたように十分な情報がないと安易な命の選別になるとの指摘どうりの結果と変わりなく、NIPTの受療に対して、遺伝カウンセリングがどのような効果があったのか、臨床研究とはいえ自己負担の20万円もの検査料をかけて行った意味があったかは疑問であるとの声もある。英国のBJM誌〔7月4日号)にはNIPTでダウン症の診断がついた71例のうち15例が妊娠を継続して12例の出生が認められたとの報告が出ており、日本と英国ではNIPTに対する女性の評価は異なるようです。いずれにしても高齢患者の不妊治療・妊娠例が増加する日本ではNIPTにどう向き合うか、どう利用するかが患者さんや医療者だけではなく国民全体に問われていると考えます。