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新型出生前診断(NIPT)が拡大へ(院長コラム)

[2019.03.05]

新型出生時診断(NIPT)は従来は学会が認定した少数の機関のみで診断が可能であったが、このほど日産婦学会は検査機関を一般産科診療所でも可能拡大とする決定を行いました。この背景には遺伝子診断の施設が増加し、しかも外国の施設までもが参加してきたために、従来の学会の認定施設以外で低価格でネットを使用しての診断が多くされるようになってきたこと、そもそもカウンセリングを受ける必要があったのがより簡便なカウンセリングで可能になるように決定されたとの事である。私の患者さんもこの検査を希望する方は県外まで出かけて受ける方が多数でした。同時に学会は生殖医療における受精卵診断(PGSまたはPGT-A)についても現在パイロットスタデイを開始しており、いずれこれも門戸を広げると推定されます。この決定に関しては日本ではまだ多くの反対意見が根強くあり、特にマスコミは『もっと国民的議論が必要」といって反対していますが、このような問題で国民的な議論は起こしようが無いはずで、何十年もこのようなお題目を唱えているうちに本当に必要な患者さんが見捨てられてきた現実を知らない意見と私には思えて仕方ありません。今回の決定をした学会の理事長藤井教授と倫理委員会理事長苛原教授に心からの賛意を送りたいと思います。アメリカの大学にいたときに見聞した、まず個人の責任と権利が保障されて、それを中心に社会の枠を作るという欧米的なグローバルな考え方がこれからの日本でも必要ではないかと考えています。

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