採卵時の麻酔について
[2016.02.08]
採卵時は18~20Gの長めの針にで膣壁ー傍子宮組織ー卵巣組織―卵胞へと穿刺します。そのため穿刺時には痛みがありそれを減弱させるのが、採卵時麻酔です。入院して本格的な手術に準じて行うような麻酔を採用しているクリニックは少なく、採卵後早めに帰宅できるように痛み止め座薬の術前挿入だけや、全く麻酔を行わない所もあるようです。痛みは個人差が大きく、すべての方に完全な満足が得られる採卵麻酔は存在しないのが現状です。そのため当院ではいくつかのオプシヨンを用意しております。まず採卵数が少ないときには、表面だけの麻酔(スプレー)を用い、4ケ以上採卵時には局所麻酔である傍子宮頚管浸潤麻酔(PCB),または全身麻酔である笑気吸入循環閉鎖マスク麻酔か、それらの組み合わせで採卵を行います。これらは希望により選択できます。一時行っていた点滴によるプロポフイール法は麻酔時間が長くなるためと、意識が喪失するため現在は採卵では用いていません。採卵時には、原則として2名以上の医師が立ち会い、1人が採卵担当・他の1人は麻酔担当として立ち会い、さらに看護師が3名に培養士が複数名と、1名のみの採卵であっても安全のために十分準備をして施術をしております。