子宮がん予防ワクチン(HPVワクチン)
現状で予防できるがんは子宮頸がんのみです。
しかも今は20代、30代の女性にこの癌は急増し、この年代での死亡率が最も高い病気です。この子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によっておき、また一生のうち80%くらいの女性は感染のチャンスがあるといわれています。主に性交によって感染しますので、性交開始前の11~14才の女児に優先的にワクチン接種することが推奨されています。数年前より自治体では公費で負担し、性交開始前の学童への接種が開始されました。しかしワクチン筋注による痛みの過反応などの副作用が起きたことで現在では厚労省では、接種を勧めないとの態度をとっており、多くの対象者も接種を控えているのが現状です。すでに10年以上の接種経験のある欧米では子宮頚がんの発症も死亡率もその効果にて低下を始めており、2015年にはWHOが日本でも再開をするよう勧告をしました。日本産婦人科学会の腫瘍グループも再開を呼びかけていますが、現状は進んでいません。20年後には日本は子宮頚がんによる死亡率の高い国とされる可能性があり、せめてHPV感染検査と細胞診は受けておきたいものです。ワクチンはHPVにすでに今感染している方の治療にはなりませんが、再感染を防ぐためにも45才までのすべての女性はこのワクチンを受けることが推奨されています。計3回の筋肉注射が必要ですが、今のところ4.5万~6万位が自費でかかりますが、一生に一回で良いので、早めに受けることをおすすめ致します。また接種後には念のため通常の子宮頸がん検診は受けることは必要です。子宮体がんは体質やホルモン環境に左右されますので、検診は別に必要です。