喫煙は体外受精にどんな影響を与えますか?
(喫煙と不妊の関係は?)ですでに述べていますが、当院の看護師が中心になって、2005年度に1年間かけて調査した結果を示します。
この1年間に採卵した372例のうちきちんとしたアンケートが取れた338例について、その後の妊娠成立の有無について検討した結果、
- 両方の喫煙がある群の妊娠・・・18.1%
- 夫婦どちらかが6ヶ月未満の喫煙群・・・28.8%
- 夫婦で喫煙なしか、すでに6ヶ月以上禁煙した群・・・37.2%
と明らかに、タバコより離れている群の妊娠率は有意に高く、また男性の不妊症でも喫煙習慣がない方の乏精子症は33%なのに、喫煙群では重症傍精子症例の64%を占める。したがって約半分の喫煙男性(46%)の患者さんが顕微授精(ICSI)を受けることとなっています。
喫煙男性の精子をITを使った強拡大顕微鏡システム(IMSI)にて調べると、その頭部にクレータを認めることが多く、このような精子は遺伝子異常が多いと推察され、不妊・着床障害・流産などの原因地おなっている可能性があります。日本では先進国の中でも喫煙率が高いのですが、不妊症、特に体外受精を受ける場合には、必ず禁煙を男女ともにしておきましょう。これが最も安価で確実な不妊治療に結びつきます。
妊娠すれば必ず喫煙は受動喫煙(他人のたばこの煙を吸うこと)でも胎児成長や分娩時の問題に影響を起こします。妊娠が成立した時には夫婦とも禁煙しなければならないのですから、不妊治療を開始したら必ず喫煙はせず、禁煙を徹底しましょう。。