喫煙と不妊の関係は?
[2016.01.14]
2004年にアメリカ不妊学会(生殖医学会)は下のような会告を出して、患者教育をするように指示していますので参考にしてください。
題名:喫煙と不妊
女性の場合
- 喫煙者では非喫煙者と比べて妊娠成立までが平均2.27年遅れる
- これは1日の喫煙本数と比例する
- 卵の質が採卵時期明らかに低下している
- 喫煙で遺伝子損傷のため胎児の染色体異常が上昇、流産率、膣炎の頻度そこから引き起こされる妊娠時の子宮内感染、子宮外妊娠頻度の上昇が3.5倍になる
- 母親が1日10本以上喫煙すると、生まれてくる新生児が男児だとその子の精子製造能力が将来低下する
- 体外受精では喫煙者は、非喫煙者と比べてIVFの回数が約2倍必要となる
- 高齢でかつ喫煙者の場合はより卵のダメージが大きい
男性の場合
- 喫煙は明らかに精子機能を低下させる
- 受動喫煙(自分の喫煙した煙が周りの人に影響を与える)の害が大きい
これらの事実は医学的に証明されている(evidence based medicine)
当院の患者さんについても、喫煙者の体外受精成功率を報告してあり、明らかに喫煙は成功率を下げます。(学会活動報告第19回神奈川母性衛生学会を参照)