受精障害を乗り越えた方より
前略
病院スタッフの皆様には相変わらずのお忙しい日々をお過ごしのこととお察しいたします。
私は昨年六月までクリニックに通院させていただいた○○と申します。
このたび、ご報告と感謝の気持ちをいち早くお伝えしたく、お便り差し上げました。
六月に阿久津先生に体外受精の手術をしていただいた赤ちゃんを、本日無事に出産することができました。
約三年間の治療の末、授かった命のため、妊娠中は大きな不安との戦いでもありましたが、元気な姿を見て、実感することができ、今はほっとしています。
通院中は精神的に不安定なことが多かったのですが、先生方の信頼できる治療や看護師さんのあたたかい励まし、お心遣い、受付スタッフの方々の暖かなご対応、培養室で細心の注意を払ってくださっている技師の方々のおかげで治療をあきらめずに続けることができました。
皆様にはお世話になることができ本当に幸せです。
治療の中で最も印象の残っているのは、体外受精をして受精障害があることが分かりショックを受けたときに阿久津先生がおっしゃった「原因が分かったことに今回の手術の意味はある。
前向きに捉えましょう。」というお言葉です。
結果を冷静にとらえて、次につなげるしかないんだ、と考えることができました。
不妊治療は終わりの見えない、つらい試練でしたが、苦しい状況でも前向きにとらえて努力を続けることの大切さや、命を授かり、お腹の中で育ってくれることの奇跡、命の重み、たくさんの方々に助けて頂いた感謝の気持ち、など多くのものを得ることができました。
私にとって大きな財産です。
スタッフの皆様は緊迫した状況の中、朝から夜遅くまで治療にあたってくださり、本当に頭の下がる思いです。そして、不妊治療にのぞむ患者の皆様がどうか報われますようにと強く心の中で願っています。
皆様への感謝の気持ちがうまく表現できず、もどかしいですが、心より深く感謝申し上げます。
お忙しい中ご拝読ありがとうございました。
追伸
出産日は自分の誕生日でもあり、二重の喜びでした。
主治医よりのコメント
この方は、第1回目の体外受精時には受精卵が得られず、受精障害が不妊症の原因と判明した方で、体外受精により始めて原因が判明し、その後に顕微授精(ICSI)で受精卵が得られ妊娠に成功され分娩までこられた患者さんです。