卵巣年齢(AMH測定)とは何でしょうか?
[2016.02.06]
最近良く目にするAMHというのは、俗に卵巣年齢ともいわれ,抗ミュラー管ホルモン;AMHといわれるもので、発育卵胞の中で分泌され卵巣中での残存卵の数と量を知るマーカーとして用いられています。血液中のAMHは女性の年齢とともに減少し卵巣の反応が低下した症例(たとえば採卵時4ケ以下の採卵数が少ない例や採卵をキャンセルした例ではこのAMH値が低下していることが知られ、大体の平均値からその値が何歳に相当するかを検討して、卵巣の年齢は決められます。また逆に最近では、卵を多く有する多のう胞性卵巣症候群(PCOS)ではこの数値が高いことも分かり、その診断にも有効です。注意すべきはAMHが低いから卵の質が悪いとか、高いから質が良いとは必ずしも言えないことです。すなわち良い受精卵とは、顕微鏡下で観察されるグレードが良い卵とは限らず、正常な染色体をもつ受精卵のことですので(PGSの項を参照)必ずしもAMHが低いから卵質や卵の内容も悪いということにはなりません。もちろん高いほうが有利ともいえますが、低いからといって悲観・諦めることでもないことは理解しておきましょう。