加齢と”フレイル”と健康年齢
人は加齢とともに健康機能はだんだんと低下します。また寝たきりとなると、再度健康状態に戻ることは難しいと考えられます。すなわち更年期障害を乗り切った後にはいかに自立した生活の健康年齢を保つかが大きな目標となります。”フレイル”という言葉をお聞きになったことがありますか?{フレイル}とは、加齢に伴って、筋力や心身の活力が低下した状態を言います。この状態は漢方で言うところの”未病”とも言える状態です。第1には老化に伴い低栄養や筋力の低下のような身体的な要因、2番目には物忘れ・やる気の喪失など心理的な要因、第3には外出しないことや、経済的な困窮により社会的に孤立した状況の中で、要介護の一歩手前の状況ともいえます。しかしこの状態まででは、適切な対策治療にて再び健康な生活に戻れる可能性があります。自覚的には”フレイル”状態は①なかなか疲れが取れなくなってきた②食欲が無く,やせてきた気がする③歩くのが遅くなってきた④力が入らなくなってきた⑤出かけるのが面倒になったの5項目のうち3つ以上あれば未病;フレイルが存在する可能性があります。特に糖尿病や高血圧などの生活習慣病・入れ歯などの咀嚼機能低下・食欲低下による低栄養などが重なると余計このフレイルは悪化します。ですから加齢に伴って意識的に適度な運動を行うことや、バランスの良い食事を心がけること・口腔内を清潔に保つことなどの自己努力でフレイルの予防の効果があります。また日本には「漢方という独特の未病予防法」もあり医療の手助けも可能な領域でもあります。気になるときには医師・薬剤師に相談してみましょう。