体脂肪率が増加するとどうなりますか?
同じ身長・体重であっても、脂肪と筋肉のバランスが異なると、消費されるエネルギーも異なってきます。体脂肪率が高い(すなわち脂肪の比率が多く筋肉が少ない)と、使われるエネルギーが少なくなり、その分体に蓄積されて太りやすくなります。
すなわち同じ標準体重の人であっても、筋肉量の多い人はエネルギー消費が大で太りにくいと考えられ、また脂肪過多の場合には、いわゆる「かくれ肥満」の可能性があり、生活習慣病(糖尿病・高血圧・動脈硬化症・高脂血症など)に結びついてゆく可能性があります。
また、肥満には、腹部の内臓付近に脂肪組織がたまる内臓脂肪型肥満と皮下脂肪がたまる皮下脂肪型肥満の2つのタイプがあり、内臓脂肪型肥満が悪玉肥満で、正確に診断するには、腹部CT検査で内臓面積の測定が必要ですが、現在は新しい体組成測定器(電気的な伝導測定法)でも正確な内蔵脂肪量の測定が可能となってきています。
肥満の原因は大きく分けて体質と生活習慣が大きくかかわっています。
生活習慣が特に大きな問題となっており、油っこい洋風の食事と、生活が便利になり、日常生活で体を動かさなくなったことが多くの肥満を生み出す原因となっています。
肥満の予防と治療は、まず食事に気をつかうことが第一です。
特に更年期以後の女性は女性ホルモン(エストロゲン)減少が肥満のきっかけどなる場合が少なくないので、植物性エストロゲン(イソフラボン)や抗酸化物質を十分に摂取するとともに、総カロリーが過剰にならないような工夫が必要です。