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人工授精(AIH)とは?

[2016.01.14]

通称人工授精(AIH)は、以前より不妊症の大切な治療法として行われ、現在もその価値は失われておりません。

ただし、妊娠率を向上させるためにその方法は次に挙げるように変化してきております。子宮腔内に直接注入する方法(IUI)がAIHの中でも、最も確実な方法の1つと言われています。

  1. 以前は精液そのものを子宮経管内や子宮頚内に注入しましたが、今では、パーコールという細胞分離液で元気な運動精子のみをとりだして、子宮腔内に注入します。それにより、感染や腹痛を防ぎ、受精能を持った精子がたくさん卵管の受精の場に到着しやすくなるようにします。
  2. 人工授精を成功させるには、排卵のタイミングにできるだけ正確に合わせることが大切といわれております。そのために、クロミッドやHMG製剤(注射の卵胞刺激ホルモン)を組み合わせて用いながら、経腟式エコーで卵胞の発育を観察してそのタイミングを正確に合わせます。

※注意・・・HMG製剤は、閉経後の女性の尿中に含まれる性腺刺激ホルモンを特殊な方法で抽出し精製したもので、製剤そのものの副作用はほとんどないですが、使い方を間違うと卵巣過剰刺激症候群という合併症が起こることがあります。妊娠率を上げるために、あせって多めに使用すると危ないので、当院ではそれぞれの患者さんに状況に応じて適切な投与を心がけております。2007年4月より、より純粋なr-FSH(フォリスチム)が使用可能となっています。

IUIの適応患者は

  1. 夫の精子数の少ないか、運動率の低い夫婦
  2. ヒューナー試験(頚管粘液と精子の相性)の悪い夫婦
  3. 不妊の原因ははっきりしないが、治療が成功しない長期不妊の夫婦(原因不明不妊症)
  4. 性交が出来ない(性交障害)

AIHを繰り返しても、妊娠の成立を見ない時には

  1. 受精障害(卵管、精子、卵そのものに機能的な異常がある又は卵と精子の相性が悪いと考えられる不妊)
  2. 着床障害(子宮内膜や、卵の着床力に問題のある場合)
  3. 卵管に機能的障害が隠れている時
  4. 腹膜に軽度の子宮内膜症が存在して、受精の邪魔をしているとき

などがあり、腹腔鏡検査や夫婦間での体外受精で受精の有無を確認する必要が出てきます。

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