亜鉛欠乏症と病気
性機能特に男性不妊と亜鉛については不妊Q&Aにて触れていますが、不妊症の男女はもとより、成人や更年期婦人でも味がわからない、元気が無い、口内炎、貧血、関節が痛い、脱毛、皮膚炎、食欲が無いなどの症状がある場合には、亜鉛不足かも知れないと疑ってみることが必要です。国民健康栄養調査報告〔平成27年版〕では、日本人の男性、女性とも20台以降での平均亜鉛摂取量は、推奨量に比べて少ないことが判明しています。このような症状が存在する場合に血液中の亜鉛を測定して、80μg/dl以下の時には亜鉛を補充することで症状改善が見られる場合に亜鉛欠乏症と診断されます。また慢性肝炎、肝硬変、腎臓病、糖尿病、潰瘍性大腸炎、リウマチなどの原疾患があると亜鉛欠乏症は起こりやすくなります。2018年1月24日の朝日新聞には「味覚障害が高齢化で増加」という表題で、日本人の亜鉛不足が記事として取り上げられています。現代人は亜鉛不足になりやすい環境にあり、その理由として、食材や食生活の変化に原因があり、加工食品の添加物には亜鉛の体内吸収を妨げるものがあるとも言われています。高齢者に亜鉛欠乏の代表的な症状である味覚障害が出現すると身体や認知機能の低下にもつながるので、更年期以降では一度血液中の亜鉛を測定してもらうことが必要かもしれません。レバー,牡蠣やホタテなどに多く含まれますので日常の食生活にも気をつけることが重要です。