不育症又は習慣性流産とは?
[2016.01.14]
子供を望む親にとって流産は悲しい出来事で、全体を通じて流産のリスクは12~15%と言われるが、3回以上連続して流産する事(習慣性流産)や2回連続して繰り返す(反復流産)は不妊外来の臨床では良く遭遇いたします。流産の原因は胎児側の染色体異常(50%以上)、糖尿病・甲状腺疾患などの内分泌疾患(15%)、子宮の奇型など(10%)、血液凝固異常(10%以下)、夫婦どちらかが染色体の構造異常を有する事など考えられます。このように大部分が胎児側原因と考えられるので残念ながら流産に終ったときには、その胎児の染色体検査(POCを参照)をしておくことが、次の妊娠成功に大きな情報となります。
治療は原因が判明すれば、その治療を集中的に行いますが原因が判らないときもあります。特に凝固異常による場合にはヘパリンの自己注射法が保険で認められており、また抗核抗体などの陽性例には(全身性エリテマトーデス、夫婦のHLAの相同性、自己免疫疾患のある種のタイプ)にはアスピリン低用量又はステロイド投与で妊娠に成功することもまれではありません。
また、喫煙、アルコールや薬物乱用も流産背景と考えられ、夫婦のライフスタイルを考え直すことも重要です。