上手な婦人科外来受診の仕方
「女性ホルモンの教科書」という書籍が日経ヘルスより発刊され私も寄贈を受けました。筆者の一人黒住沙織さんは、自身が子宮筋腫の手術2回、41歳での出産などを経験し、ご自分の経験から医師の診察時に、限られた時間内で少しでも効率よく自分の状況を伝え、疑問点などを聞く時間を確保する術を語っている。まず用意したいのがメモ・①一番気になる症状 ②それが起きた時期・症状の変化 ③最後に月経のあった日付けと其の期間 ④婦人科の既往歴などを事前にまとめておくこと。また直近の検診などの検査データがあればそれを持参し、基礎体温を最低2周期つけたものがあると医師の診断効率が上がり、不調の原因を早く突き止める手助けになると述べています。受診時の服装はスカートがベストで内診に備えおく。今の保険診療では、医師を長時間自分のために拘束できないので「3分診療」の残念な現実であっても、これらの工夫で治療の内容や快適さが変わってくると述べています。私たち専門家から見てもこれらの指摘事項はリーゾナブルなポイントと考えられます。特に不妊治療の場合に「結果が出ない」との不満をまま聞くことがありますが、やはり医師側だけに結果を求めるのではなくでなく、夫婦として受診者側からも努力・工夫をする事が必要でしょう。よく基礎体温はストレスになるからとらない、喫煙はやめられない、肥満は防げない、仕事があるので受診時間が守れない、夫の協力を得られない等の自己都合を延々と述べる方もおられますが、治療している側からは、自身が努力しているカップルには心から何とか良い治療をしたいと考えるものです。この信頼関係がそのまま良い結果につながる事も理解しておきましょう。なおじっくりと相談したいときには、自費診療となりますが「カウンセリング」を利用するのもひとつの手です。