レーザーによる不妊治療について
[2016.01.14]
レーザーと言うと、一般的には外科治療のレーザーメスを考えますが、この場合はは高反応レベルレーザーと言って、照射をする部分の破壊・切断を目的としています。
一方、不妊領域で使用されるのは、低周波レベルレーザー(LWL)で、当初は痛みや傷の治癒促進などに用いられ、その効果は血流改善であることが明確になっており、男性不妊患者の精子数の増加や閉経婦人の月経再開などから不妊治療への応用が試みられてきた。
すなわち、メスのレーザーとは異なり、低周波レーザーは全身の血行を改善し、卵胞・卵子のレベルでの血流改善・酸素供給上昇作用・新陳代謝活性化が考えられています。
確かに当院でもこの低周波レーザーを行なった症例での子宮血流を測定すると著明な子宮動脈血流量の増加がみられ、同時に患者さんの冷え性や便秘なども改善しており、特に血流の良くない患者さんや子宮内膜が薄い着床不全症例に用いると有効であることが判明しています。現在特に凍結卵を移植する際にはほぼ全例に使用しており、良好な結果を得ております。
当院の低周波レーザー装置