ヒューナテストの意義について
ヒューナテストとは、性交後の子宮頚管(子宮の入り口部分)の粘液中に精子が存在するか否かを見る検査で、50年以上も前から行われております。
粘液中に10匹以上の運動精子がいれば陽性(1匹でも存在すると陽性と診断する医師もいます)、存在しなければ陰性とする検査ですが、その判定や、性交後の時間(正確には2時間後)に種々の問題があり、精液検査の代用にもなると考えている方もありますが、現在ではその意義は疑問視されており、当院では全員には行っておりません。頚管粘液は排卵期に量と粘調度がピークとなるので、精子が最も通り抜けやすくなるために行われる検査です。女性側に抗精子抗体が存在すると精子はここでブロックされ、子宮に進入できなくなるので,抗精子抗体チエツクの試験としても使用されていました。現在では容易に抗精子抗体は測定できるためその意義は減少しています。しかもAIH治療に入れば子宮頚管部は関係なくクリアーされますので不要となります。
この検査に変わるものとしては、ミューラークルツロック検査があります。
これは体外に取り出した排卵期の頚管粘液と精子をスライド板上で接触させ、顕微鏡下で精子の侵入をみる方法があり、抗精子抗体検査を施行する前に行われることがあり、患者さんの心理的負担が少ないので、当院では必要時にはこの方法を採用しています。