クロミッド周期採卵法について
[2016.01.14]
最近、卵巣過剰刺激を防ぎ、多胎の可能性も少なくする目的で自然に近い周期で採卵が試みられるようになって来ました。
生理3日目よりクロミフェン50mg1錠を連日(約8~10日間)服用開始します。8日目より卵胞計測などを行って、十分な卵の発育が確認できてから、GnRH点鼻を両方の鼻腔に10:00PMごろ施行、35時間後位に採卵し、あとは通常の体外受精培養をして、分割したら卵を子宮内に戻す方法で、多量のhMG(FSH)刺激が不要で、OHSSの可能性が低いこと、ある程度の妊娠率が期待できることなどのメリットがあります。
一方、採卵数が少なく(平均1.8ケ)約10~30%位に卵回収が出来ないなどのデメリットもあります(特に高齢者の場合)。また従来からクロミッドは排卵率は良好だが、妊娠には結びつかない事が問題視されています。これは性格が女性ホルモン拮抗剤であり、開発当初は避妊薬として考えられたいきさつから、一部の機関では作用機序の異なるアロマターゼ阻害剤(フェマーラ)を用いての採卵も行われています。(フェマーラ(レトロゾール)での排卵刺激法とは?を参照)