ここ数年頭痛と頭重感に悩まされています。更年期と関係があるでしょうか?
[2016.01.15]
更年期障害の症状の一つとして慢性頭痛、偏頭痛は頻度的に多い症状で8%くらいの人にみられます。
たかが頭痛とのことで、医療側も患者さん側も軽くみていた面がありますが、最近では寝込んでしまう程の偏頭痛でもトリブタンという新薬で1/3は改善するようになっており、更年期のエストロゲン低下に伴う頭痛、頭重もホルモン療法で劇的に良くなる例も少なくありません。
一般的に脳外科的な処置(たとえば脳腫瘍)の必要のない慢性頭痛の患者さんに多いのは痛み止めの薬の飲みすぎ、つまり3ヶ月を毎日のように痛み止めを飲んでいるとかえって頭痛が起きて連日慢性頭痛になる例があり、このような方には予防薬が有効です。
もう一つ年がら年中頭が重い、すっきりしないという頭重感の背景にうつ状態があり、このような方には脳内ホルモン(セロトニン)を活性化する薬物療法も有効で、一般的に慢性緊張性頭痛と言われるものがこれに相当します。
一方、先に述べた偏頭痛は両側性のこともあり、身体を動かすと発作が起こり、周期的に起こるのが特徴的で、この2つが更年期に限らずよく見られる「頭痛」と考えてよろしいでしょう。
もちろん、くも膜下出血、脳出血、腫瘍などの初発症状であることもあり、治療開始時にはよくかかりつけ医と相談しましょう。