「HRT」という言葉をよく見ますがどんな意味でしょうか?
HRTとはホルモン補充療法の英語の略語です。
厚労省の研究班(大内班)が1014名の一般女性からアンケート調査を行っています。
平均年齢48.7歳で、HRTを全く知らない方51%、内容をよく知らない方32%、知っている方は16%で不明が1.6%でした。
HRTを受けた経験または、現に受けている方(HRT受療率)は5.1%で、日本ではまだまだこの言葉は認知されてはいませんが、世界的にみてHRTを受けている数の割合は先進国中では日本は最も低い群に入っています。
特にHRTが更年期障害に有効であると知っている者は85.3%もある一方、骨粗しょう症効果は10%、高脂血症・動脈硬化に有効は4.6%、生殖器症状(腔炎や性交痛など)に有効は5.3%、認知症の予防については4.2%と少数でした。
HRTについての不安がある方や受けようと思わない群は67%で、その理由としては「癌になる」と考えていることでした。
以上より、HRTを正確に知っている認知率は16%と極めて低く、また、その情報の多くは新聞などのマスメディアを通じてであり、医療に携わる者にも同様の傾向がみられ、専門家以外の医師などの正確な認知率も低いと報告されています。
20年以上もHRTを行ってきた立場からは、HRTを上手に利用することは中高年女性のQOL(生活の質)上昇への最良の手段と思えますが、そのためには正確な情報公開と日本人のデータでは癌発症は少ない事事実・公表などの必要性が痛感されます。