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治療実績(2021)

(1)当院での不妊外来の治療成績(2021年度)

保険化により前年度(2021年度)の治療成績の公表が求められています。まず1年間の当院での不妊治療全妊娠例(300例)の分析です。生殖医療〈体外受精。顕微授精】による妊娠が68%と最も多くの割合を占め、続いてタイミングを主とした一般不妊治療の22%、人工受精(AIH)の10%の割合でした。年齢別ではどの年齢でも生殖医療による妊娠例が多く、特に治療数の多い30代後半のグループは生殖医療妊娠が最大を占めています。

 

 

解説:妊娠例の70%弱は生殖医療〈体外受精・顕微授精】によっています。タイミングのみでの妊娠例は8%ですが、妊娠率は方法年齢・自然・刺激法・過去の治療歴などにより異なりますが2%(40歳代)~10%(20歳代)です。続いて行われるAIHによる妊娠率は6%(40代)~15%(20代)となります。年齢別ではすべての年齢で生殖医療による妊娠例が多く(妊娠率は1回あたり40歳代では15%、20歳代では50%です)が多く、不妊症との診断がなされた時には今回の保険治療下でも6か月毎の医師との面談の元、1年以上の不妊治療で妊娠しないときには、いずれ生殖医療の選択を選択するかが迫られます。

 (2)2021年度の初期胚 胚移植治療成績について 

2021年1月より、12月までの1年間の採卵数は330例であり、移植に関しては新鮮胚移植が130例、凍結胚移植が311例に行われました。最近の傾向として日本では初期胚の移植は施行数が減少しております。これらの治療症例は初期胚の段階で受精卵が1ケのみの症例や、胚盤胞までの発育が期待できないような症例が多く占めるせいであり、下図のごとく移植可能率(39%)も少なく妊娠率(13.1%)も低い傾向があります。2022年度よりは保険認められる回数が採卵回数ではなく、移植回数で計算されるため、その妊娠成績を含め初期胚移植は多くのクリニックで激減するものと考えられますし当院でも2022年度よりは凍結卵移植により主力を置く予定です。

 

 

(3)2021年度の凍結胚盤胞移植の成績 

 

 

 

 解説:現在移植の主力方法となっている凍結胚盤胞移植の成績です。新鮮胚と比べて明らかに良好で特に35歳未満では妊娠率43%以上と1回の移植で半数近い方が妊娠に成功しています。また移植可能例(ET率)がほぼ100%ですので、無駄なく採取卵が利用されていることが判明しています。

 

(4)3BB以上の胚移植による妊娠成績

 解説:現在移植の主力方法となっている凍結胚盤胞移植ですが、2022年度より保険使用では移植回数で保険適応がされますので3BB以上の良好卵の時に移植が選択される可能性が高くなります。したがって凍結卵移植時に3BB以上の受精卵を選べばかなり効率よく

 

(5)最新のオプション治療(レーザー治療・自己血小板注入法)を加えた妊娠成績 

 

 解説:現在移植の主力方法となっている凍結胚盤胞移植の成績です。移植方法としてはホルモン補充周期(HRT・ET)を選択し、さらに低周波レーザー治療(LLL)と自己血小板注入療法(PFC-FD)の併用により全体で53.30%の高い妊娠率を得ることが出来ます。これは学会の全国データー(JSOG)より2割近い妊娠率のアップになっており、今後妊娠率をさらに上げる一つの方法と考えられます(このデーターは2022年8月の日本レーザーリプロダクション学会(仙台)シンポジウムで院長が発表しました)

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