治療実績
当院での治療成績(2013年より2020年度)
8年を通覧して2016年迄上昇した採卵数は2016年度をピークとして、施行数・妊娠数などは患者さんの高齢化・非婚率の上昇を反映して全体に減少の傾向を示しています。特に2020年度にはコロナ感染の爆発的発生、同時に学会指針による採卵中止の指示などがありすべての指数が低下を示しており、クリニックにとって厳しい状態が持続しました。
当院でのARTによる8年間の年度別妊娠率(2020年度)
8年間の妊娠率の推移。最初の6年間を通じて、新鮮胚移植・凍結胚移植の妊娠率は横ばいですが、平成30年度はAIHによる妊娠と一般治療による妊娠例が増加しています。しかし内容的には凍結卵移植妊娠が優位となっています。2020年ではコロナ感染症のために採卵数などの影響を受けましたが、内容的にはすべての指数割合は例年と同様の動きを示しています。現在までの当院での最高齢の妊娠・分娩例は47歳と49歳の2例でともに凍結卵移植による例でした
2019年度の年齢別妊娠率・生産率・流産率について。
2019年度の年齢別妊娠率・流産率・生産率を比較してみました。20歳台では55%の人がARTで妊娠に成功し、流産は25%程度ですが、40歳代では妊娠率は15%であり、流産率は40%に及びます。
特に43歳以上ではこの傾向は高くやはり少しでも若年時にARTを選択することが重要です。全国平均との比較は下図をご覧ください。
学会発表の最新〔2020年10月発表)の全国統計より
日本産婦人科学会(JSRM)最新の全国統計(2020年10月発表分)です。総治療数454、893件でこれは世界中でも最多の症例数です。結果として5。5万人以上の新生児がARTで誕生しています。この年に生まれた新生児のうち16人に1人がARTによる誕生となります。採卵のピークは40~41歳にあり、まだまだ高齢の方が多くARTを選択していることが分かります。内容は例年のように37歳を過ぎると妊娠率の低下・流産率の上昇があり、40歳以上ではこの傾向はより強くなっているのは例年とおりですので当院の成績も勘案して不妊症の方は早目のステップアップが必要です。。