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最新の生殖医療

体外受精・胚移殖などの最新の生殖医療を希望される方へ

体外受精胚移殖により、多くの不妊患者さんがその恩恵を受けられるようになってきました。しかし体外受精は万能ではありません。出来るだけ通常の方法で妊娠を試みて駄目なときに試みる手段です。したがって、体外受精を勧められた方は、当院の方法を十分に理解した上、治療を受けるようにしてください。不妊学級では十分時間をかけて、インフォームドコンセントをしておりますのでART希望の方は必ず受講してください。特別に急ぐ方や個人的に相談したい方のために、院長のカウンセリング外来があり、希望の方は受付に申し出てください(予約制)。当院では体外受精の施行数を多くすることを目指すのではなく、一人ひとりに会った治療法を選択し,できるだけ一例一例を丁寧に診療するように心がけております。

適応

  1. 卵管の通過性を認めないとき
  2. 男性不妊で人工授精で成功しないとき
  3. 子宮内膜症で、他の治療法で、妊娠しないとき
  4. 坑精子抗体陽性の方
  5. 原因不明長期不妊(受精障害や機能性不妊の難治性不妊の症例)
  6. 40歳以上でAIH3回以上不成功の卵巣予備力低下の方

方法

(成功率を高めるため、色々の工夫がされていますが、要はいかによい卵を多く採取できるかです。具体的には次の手順によります)ここでは多く用いられる刺激法について説明いたします。良い卵とは妊娠しやすい卵のことで、現在では刺激法やグレードだけではなく、正常な染色体を有する卵で、かつミトコンドリア活性の優勢な卵と考えられています。

  1. ロング法は、採卵前の周期の高温相7~8日目「スプレキュア」又は「ブレセキュア」という点鼻薬を用います。この薬にてよい卵を、多く発育させるのが目的です。現在は点鼻不要のアンタゴニスト法で、より簡易になっています。また反応低下者に行われるショート法もありますが手順は大きく変わりません。
  2. 生理3日目より卵胞刺激ホルモンを7~8日連日注射します(自己注射も可能です)。これで多くの卵の発育を促します。
  3. エコーやホルモンの測定で採卵のタイミングをはかります。
  4. 充分な発育を見たところで、午後9時15分ごろにHCGの注射をします。
  5. この時点で点鼻は中止致します。(アンタゴニスト法では、この点鼻はすべて不要です)
  6. 前日はゆったりした気分でお過ごしください。
  7. hCG注の35時間前後の朝に不妊治療室にて採卵を行います。希望に応じて充分に麻酔を行いますので痛みは心配ありません。その日の午後までに帰宅できます。採卵時には、同時にご主人の精液を採取していただきます。(以後卵と精子の培養がはじまります。)。
  8. 採卵時には当院では患者さんの希望に応じてボルタレンによる肛門挿入鎮静剤投与に加えてPCB(浸潤麻酔)、笑気吸入(循環麻酔)、スプレー(局所麻酔)などを致します。
  9. 翌日卵の受精を確認して、翌々日(48時間後)に分割卵〔初期胚)または5~6日後の胚盤胞で子宮内に戻します(胚盤胞移植)。4月よりタイムラプスにより全卵正常受精の確認を行っております。残余の卵は凍結して、次回以後に移植が可能です。移植は指定された時間までに来院してください。その後からは着床を助けるために黄体ホルモンの座薬を1日2~3回使います。使用終了後は血液検査で妊娠の有無をしらべます。
  10. 上記のように胚盤胞移殖の場合は、さらに初期胚より3~4日後に移殖となります。同一周期に、分割卵と胚盤胞の2回を戻す2段階移殖も行われることがあります。
  11. どの方法が有効かは、患者さんの状態によります。自然周期がよいとか、調節周期のみがよいというのは現在ではあまり意味がありません。この患者さんにはこの方法か良いと判定できるのが医師の技術ともいえます。今後は正常染色体を有する卵選択(PGS)の方向に行くものと考えられます。

(注)低刺激採卵法としてHMG注やロング、ショートでのブセレキュアなどの点鼻薬を用いないで採卵する方法(クロミッド周期採取法やフェマーラ採卵法)も可能です。また自然周期採卵法も選択されることがありますが、この方法は若くて、卵管閉鎖だけが原因などの限られた症例になります。詳しくは不妊症Q&Aで確認ください。主治医と十分に話し合ってどのような方法を選択することが自分に合っているかを決めてください。刺激法(連日注射法)では当院では自己注射を術前に看護師が指導し、連日の通院をしないで刺激法を受けられるような方式もとっております。また自己注射用の製剤も発売(ペンタイプ)されており容易に、注射時の痛みも1/3ぐらいで行えますので、自己注射が不安な方は一度ご相談ください。

顕微受精の場合

上の7.までは、全く同じ手順です。精子が少ない場合や、TESE による採取精子の場合は採卵後に精子を選んで、1個の卵に1匹の精子を顕微鏡下で、卵細胞内(ICSI法/現在ではより精密なIMSI法)に注入し受精させます。受精障害の場合も同様です。以後は体外受精と同様に進行します。受精率や妊娠率は、通常の体外受精と変わりませんが現在ではICSIまたはIMSIの症例が増加しております。また受精障害に対する卵活性化も豊富な経験を有しています。

卵の凍結・保存

体外受精で使用して残った余剰卵については、凍結保存し次回の自然周期又は、ホルモン補充療法による周期で子宮内に戻すことが可能で、妊娠率は新鮮卵を上回る成績があり、クリニックによってはすべての卵を凍結後移植するような所もあります。又、通常は4~8細胞での凍結を行います(初期胚凍結)が、細胞分割の進んだ胚盤胞(着床寸前の卵)も、ガラス化法という方法で凍結保存が可能です。凍結保存は再度の採卵を避けられ、身体的にも、金銭的にもメリットがありますので利用しましょう。日本で最初に凍結卵移植を行った歴史と実績を引き継ぐクリニックとして自信を持って対処できます。

当院での最新の治療法

移転により培養室の設備・環境を格段に上昇させるとともに、Q&Aに表記されてる胚盤胞移殖(5~6日間、体外培養する)選択は当然のことですが、その他にも、Laser Assistrd Hatuching(LAH)と呼ばれる方法も有効と考えられ、当院でも行っております。これは卵の周りをとりまく透明帯を着床しやすいように、一部分を薄くする方法で、孵化させて、子宮内膜に着床させようとする試みで、高齢者や凍結卵移植時にすでに多くの患者さんにも施行妊娠に成功しております。(施設案内の培養室をご覧ください)。また内膜の薄い方には低周波レーザー(LWL)による血流改善を試みること、卵巣老化予防のためサプリメント(DHEA)の使用の他、無精子症男性に対する不妊専門泌尿器科医との共同治療で精子を精巣より直接採取するmd-TESEや、重症な受精障害のためのCa卵活性化も行っております。2016年4月より、最新型のタイムラプスを導入し成長の過程を加味した移植卵を選択移植できるようにしました。詳細は不妊症Q&Aでの”タイムラプスとは”を参照ください。これら当院でのART技術の応用は、多くの学会等に発表して成績を公表しております(不妊関係学会発表欄を参照ください)。

最新の不妊治療情報

2015年より日本産婦人科学会は、PGS(受精卵スクーリニング)を臨床試験として始めることを決定しました。生殖医療遺伝子分析の進歩は大きく、世界人口の95%は難治性不妊(習慣流産・3回以上の体外受精不妊娠例・40歳以上の症例)などに、このPGS分析を利用しており、日本でもすでに外国の生殖医療専門会社が進出してきてすでに一部ではPGSは行われているようです。このPGSとは受精卵の全染色体を卵の一部より取り出して分析し、染色体正常の受精卵のみを移植することで妊娠率を高める方法です。すでに多くの症例を有する大谷クリニックでは2016年度1月より導入した{次世代シークエンサー}の導入で妊娠率70%、流産率0との驚異的な成績を発表しています。、すなわち体外受精の成績(妊娠して無事出産するか否か)は刺激法(自然か、調節刺激か)ではなく、受精した卵が正常染色体か否かで決まることが多くの症例から判明してきた事から行われている技術で、実際は胚盤胞の細胞を一部採取してその全染色体を調べて、正常な受精卵のみを移植する技術であり、従来のグレード判定による良好卵判定とは格段の成績上昇が確認されています。しかも卵質の良しあしを決めるという、細胞内のミトコンドリアの測定や注入法も可能となり、より精度の高い移植が可能となりつつあります。まだこれらの技術は日本では一般化しておらず、倫理的問題や、方法論、料金的にもいまだ高額である等の問題点はありますが、学会も臨床研究計画を立てていることから近い将来日本でもこのPGSを受けることが可能となりそうです。また当院で採用したタイムラプスは従来の卵のグレードだけの移植胚の決定法から、さらに成長を加味した移植法へと変化しつつあり、より正確なARTに向かいつつあります。早発閉経に対するNPO法人による卵子提供法や、がん患者さんの治療前や、高齢になる前に卵子を凍結保存しておく未受精卵の凍結保存なども報告されてきております。また年々多くの方が米国やアシア各国で卵子提供を受けて帰国・分娩にいたる実数も増加しており、法的な整備が進まない中でARTでの現実は急速に進んでいるよううです。

治療費について

残念ながら、最新不妊治療(ART)の大部分は健康保険が効きません。当院の自費部分については不妊センター紹介の中の特殊不妊治療の基本費用概算総額に明示いたしました。また当院は『不妊治療に健康保険を』の署名運動グループに参加しております。ぜひ不妊治療を受けやすくするためにも参加してください。

2010年より、条件はありますが5年間にわたり、初回は年3回、以後年2回まで1回15万円の公的補助が都県・市町村などから出ています。さらに2,016年2月の補正予算通過で国の少子化政策対策より初回のみは体外受精へ30万円に助成金が増額されました、また新たに男性不妊のうち睾丸より精子を採取するTESEも15万円の補助が出ます。ただし4月からは女性年齢43歳以上は助成しないことや、回数の制限も加わり、高齢不妊症の方には助成が受けられないなどの不利な改定もあります。詳しくは在住の市町村・都道府県の担当課に問い合わせてみてください。各自治体で特別の加算を行っている場合もあります。当院は生殖医療助成事業の指定機関となっています。相模原市・神奈川県、東京都以外方も利用できますのでぜひ利用しましょう。

 

 もっとも新しい不妊治療の情報

すでに上にのべたように2016年世界の不妊治療の注目はPGS(受精卵スクーリニング)です。受精卵の細胞の一部を取り出しその全染色体を調べ移植することで高齢者であっても妊娠率を驚異的に上げ、流産率を下げることが判明してきました。世界の人口比で95%で可能ですが、残念ながらまだ日本では本格的な取り組みは遅れています。また卵の力を示す細胞内ミトコンドリアの数を測ることや、ミトコンドリアを注入・交換することなどが行われす。現状で出来る方法としては、順調な卵分割を示す卵を選択するために、タイムラプス装置があり、当院でも患者さんの希望である{抱きしめて、わが子を、我が家へ}を実現すべく、これらのPGSに対する準備とともに、タイムラプス装置は2016年4月より採用しております。

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