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不妊症の原因

妊娠するには、女性側に受精可能な卵が排卵されること、男性側に受精可能な精子があり、タイミング良く両者が出会うことが必要です。通常、卵と精子の出会いは、卵管膨大部ですので、この受精の場が正常である事が必要です。受精した卵は分割(細胞分裂)を繰り返しながら子宮に向かい、6日位で子宮壁に着床し、これが妊娠の成立で以後胎児として、約280日間子宮内に育って分娩に至ります。人間の場合、10箇所位の関門があり、従ってこの中のどこかの段階に異常があっても不妊症となるわけです。哺乳動物として考えた場合、ヒトは妊娠しにくい動物と考えられます。

img01女性不妊の場合には図のどの部位でも不妊症の原因となり得るために検査治療が複雑化していきます。

男性不妊の大部分は、90%が精子を作る能力の低下(造精機能)であり、乏精子(数が少ないか、運動精子が少ないこと)が大部分で、これは喫煙などの環境因子や生活習慣によるところが多く、有効的な一般治療があまり多くないのが特徴です。

不妊全体では50%に男性側にも原因があり、必ずカップルでの検査治療が必要です。重症例では不妊専門泌尿器科医との共同治療が必要となります(男性不妊の項を参照してください)。

最近では不妊患者さんの高齢化に伴って、加齢による卵の質的、数的な減少が盛んに言われています。残念ながら卵巣に保存された卵子は新しく作られ増加することはありません。すなわち人はストックされた卵を使いながら、一生のうち400回ぐらいの排卵現象を繰り返して閉経に入るわけで、1回の排卵時には約1000個の卵子が消滅してゆきます。このため35歳を過ぎると急激に妊娠のチャンスは減るわけです。自分の残りの卵数を知る方法としてAMH(抗ミュラー管ホルモン)の測定が有効です。自分の卵巣年齢と残っている卵巣予備力を知って、治療を開始いたしましょう。

中でも今まで原因不明不妊症といわれた方は要注意です。これは原因がないのではなく、其の段階では原因がわからないという意味で、現在では本当に原因の不明である例は8%ぐらいと少数です。通常の一般治療までで妊娠せずに原因不明とされるいわゆる重症な不妊症の原因としては少し難しくなりますがーー

受精障害;ここに原因がある場合が大部分です。すなわち精子と卵子が出会いがない〔卵管閉鎖・EDで性交不可など〕か出会っても卵に精子が進入できない場合、侵入しても前核までたどり着けない活性化の障害がある場合などの受精現象障害;これらは体外受精・顕微授精・卵や精子の活性化で対応できます。

精子・卵子・受精卵が能力・活力が減少しているため;大きな原因は加齢による生殖細胞の数的減少〔AMHの低下〕・活性力の低下(ミトコンドリアの減少〕・染色体異常卵の増加などが背景にあり、PGSによる正常受精卵選択やミトコンドリア注入法・若い卵子の提供法などが治療として現在は考えられています〔まだ実験的治療の段階や日本ではいまだ行われていない方法も含まれています)

着床障害;受精・分割卵を受け取る子宮側の異常;子宮筋腫・子宮奇形・内膜ポリープ・内膜の炎症・発育不全・内膜厚が薄いなど;治療としては手術療法・レーザーによる着床促進(アシストハッチング)、低周波レーザーによる内膜厚増強法など

のどれかに不妊原因があることが判明しています。ですから現在は生殖医療技術(ART)の進歩で原因が判明すれば治療は可能の時代になってきました。AIHまでの一般治療で治療をあきらめるのは、登山の中間地で登頂をあきらめることと一緒です。ともにがんばりましょう。

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